📋 具体的事例解説

SNSを利用したロマンス詐欺の具体的事例5選
手口と被害の実態を徹底解説

最終更新:2025年6月 / 監修:詐欺対策ガイド編集部

事例①|マッチングアプリの「米軍軍人」詐欺

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「米軍に所属する外国人男性」と交際し、帰国費用として600万円を送金した60代女性の事例
被害者
60代・主婦
被害額
約600万円
接点
マッチングアプリ
詐欺師の設定
米軍大佐・55歳

マッチングアプリで「ジョン」と名乗るアメリカ人男性とマッチングしたAさん(60代・主婦)。プロフィール写真は知的で誠実そうな中年男性で、「米軍に所属する大佐で、現在は国連PKO任務でアフリカに派遣されている」と自己紹介してきた。

💬 詐欺師のメッセージ(再現)
ジョン(詐欺師)
Aさん、僕の任務はあと2ヶ月で終わります。日本に帰ったらぜひ会いたいと思っています。あなたのことが大切で、一緒にいたいと思っています。
ジョン(詐欺師)
突然で申し訳ないのですが、緊急事態が起きました。部下が負傷して医療費が必要で、軍からの送金が間に合わないんです。一時的に借りられますか?帰国後に必ず返します。
Aさん
いくら必要なの?
ジョン(詐欺師)
200万円なんですが…本当に申し訳ない。あなたに頼むしかなくて。帰国したらすぐに返して、一緒に旅行しましょう。約束します。

Aさんは最初の200万円を送金すると、その後「帰国のための航空チケット代」「持ち込んだ物資への関税」など次々と名目が変わり、合計600万円を送金してしまった。ある日突然、ジョンからの連絡が途絶えた。

⚠️ この事例の危険なポイント
  • 「軍人」「海外派遣」という設定はビデオ通話を断る口実として使われた
  • 「帰国したら会える」という希望で判断力が低下していた
  • 最初の送金の後、名目を変えて要求が続いた(典型的な手口)
  • プロフィール写真は実在する別人のものを無断使用していた
✅ この事例から学ぶ教訓
  • 会ったことがない相手への送金は絶対にしない
  • 「軍人・医師・海外在住の外国人」という設定は詐欺の典型パターン
  • ビデオ通話を断る理由があれば、詐欺と疑う
  • 送金前に家族や信頼できる人に相談する

事例②|Instagramの「海外在住医師」詐欺

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Instagramで知り合った「海外在住の医師」に恋愛感情を持ち、医療費として400万円を失った40代女性の事例
被害者
40代・会社員女性
被害額
約400万円
接点
Instagramフォロー
詐欺師の設定
日系アメリカ人・医師

Bさん(40代・会社員)のInstagramに突然「ケン」と名乗る男性からフォローとDMが届いた。「あなたの投稿が素晴らしくて、どうしても話しかけたかった」という言葉から始まり、数週間で毎日欠かさず連絡が来るようになった。

⚠️ Instagram型ロマンス詐欺の特徴
  • 「あなたの投稿を見て一目惚れした」「突然ごめんなさい」と自然な形で接触
  • プロフィールに旅行・医療・高級品の写真が並んでいて「裕福な印象」を作る
  • フォロワー数は多めに設定されていることがある(購入フォロワー)
  • 「日本語が少し話せる日系外国人」という設定で親近感を演出
1
Instagramで突然DM。「投稿を見て話しかけたかった」と自然なきっかけを演出
2
2〜3週間、毎日朝晩のメッセージで「特別な関係」を築く
3
「患者が重篤な状態で、緊急手術の費用が必要」と状況を作り出す
4
「病院の規則でカードが使えない。一時的に立て替えてほしい」と依頼
5
最初の送金後、「患者の合併症」「追加の薬代」と名目を変えて続く
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400万円を送金後、突然連絡が途絶える
✅ この事例から学ぶ教訓
  • SNSで突然DMが来ても、すぐに個人情報や連絡先を教えない
  • 「医師・弁護士・エンジニア」など高収入設定の外国人は要注意
  • 「立て替え払い」「一時的な借用」は送金詐欺の典型フレーズ

事例③|Facebookの「誤送信」から始まるロマンス詐欺

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Facebookで「間違えてメッセージを送った」と連絡してきた外国人に交際を申し込まれ、250万円を失った50代男性の事例
被害者
50代・自営業男性
被害額
約250万円
接点
Facebook誤送信
詐欺師の設定
台湾在住・女性実業家

Cさん(50代・自営業)のFacebookに「すみません、別の方に送るつもりでした」という謝りのメッセージが届いた。写真の女性は魅力的で、「台湾で貿易会社を経営している」と自己紹介。不思議な縁だと感じ、会話が始まった。

⚠️「誤送信・間違い電話」型接触の典型パターン
  • 「ナンバーポータビリティで番号が変わり、間違えた」という設定もある
  • 「LINE番号を間違えた」「Instagramのユーザー名を間違えた」など多様な口実がある
  • 「縁があるかも」と感じさせることで自然に会話を続けさせる心理テクニック
  • 男性の被害者をターゲットにする場合は魅力的な女性の写真を使う

その後、毎日メッセージが続き「あなたのことが気になっている」「好きになってしまった」と告白。Cさんも感情が動き始めたころ、「日本に進出したいのに資金が足りない。成功したら一緒に暮らしたい」と資金援助を求められた。「返すから」「来日したら必ず会おう」という言葉を信じ、合計250万円を送金してしまった。

✅ この事例から学ぶ教訓
  • 「間違えてメッセージを送ってきた外国人」は詐欺の典型的な始まり方
  • 会ったことがない人と「恋愛関係」になった後のお金の話は全て詐欺と考える
  • 「来日する・会う」という約束は詐欺師が時間を稼ぐための方便

事例④|仮想通貨投資と組み合わせた「豚の屠殺」詐欺

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マッチングアプリで出会った「シンガポール在住の女性」に仮想通貨投資を勧められ、退職金を含む1,500万円を失った50代男性の事例
被害者
50代・会社員男性
被害額
約1,500万円
接点
マッチングアプリ
詐欺師の設定
シンガポール在住・投資家女性

Dさん(50代・会社員)はマッチングアプリで「リン」と名乗るシンガポール在住の女性と知り合った。富裕層向けのプロフィール写真と丁寧な日本語で、数ヶ月かけてDさんの信頼と恋愛感情を得た。「叔父から教わった仮想通貨の自動売買システムがある。あなたにも同じ幸せになってほしい」と勧誘を始めた。

⚠️「豚の屠殺(Pig Butchering)詐欺」とは

豚を太らせてから屠殺するように、時間をかけて被害者の信頼と感情を育て(太らせ)、最終的に大金を騙し取る(屠殺する)手法。ロマンス詐欺と仮想通貨投資詐欺を組み合わせたもので、国際的な詐欺組織が東南アジアを拠点に組織的に展開している。

1
マッチングアプリで接触。数ヶ月かけて信頼・恋愛感情を構築(「太らせ」フェーズ)
2
「特別に教える」として仮想通貨自動売買システムへの誘導
3
偽の取引所サイトで少額投資→「利益」が表示される(架空)
4
「もっと増やそう」と大金を追加。退職金・借入金まで投じてしまう
5
出金しようとすると「税金20%」「手数料」「本人確認料」を要求
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追加支払い後もさらに名目が続き、最終的にサイト・連絡が消滅(「屠殺」フェーズ)
⚠️ この事例の特に深刻な点
  • 退職金という老後の蓄えを全て失った
  • 銀行からの借入まで行い、負債が残った
  • 詐欺師が東南アジアの詐欺拠点から複数人で組織的に対応していた
  • 「リン」という人物自体が存在せず、組織内で「役」を演じていた
✅ この事例から学ぶ教訓
  • オンラインで出会った人に「投資」を勧められたら100%詐欺と判断する
  • 出金に「税金・手数料・本人確認料」が必要な取引所は偽物
  • 老後の資金・退職金を使う前に必ず家族と相談する

事例⑤|二次被害「取り戻し詐欺」に遭った事例

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ロマンス詐欺の被害後、「返金できる」という別の詐欺師に騙されてさらに100万円を失った40代女性の事例
被害者
40代・パート女性
1次被害額
約300万円
2次被害額
さらに約100万円
接点(2次)
X・インターネット

ロマンス詐欺で300万円を失ったEさん(40代)。「詐欺被害 取り戻す方法」で検索すると、X(旧Twitter)で「ロマンス詐欺の被害を回収した」という体験談が大量に見つかり、連絡先に問い合わせた。「詐欺師の口座を特定して凍結できる」「成功報酬で費用は返金できてから」という言葉を信じてしまった。

🚨「取り戻し詐欺(リカバリースキャム)」の手口
  • 詐欺被害者の心理(お金を取り戻したい・藁にもすがりたい)を悪用する
  • 「成功事例」のSNS投稿はサクラや偽アカウントによるもの
  • 「着手金」「手数料」「弁護士費用の立て替え」などを名目に金銭を要求
  • 実際には何もせず、連絡が途絶えて二次被害となる
  • 同じ詐欺グループが被害者リストを使って再接触するケースもある
✅ 二次被害を防ぐために
  • ネット上で「詐欺被害を取り戻す」と宣伝している業者は全て詐欺と考える
  • 被害回復の相談は警察・弁護士・法テラスなど公的機関のみ
  • SNSで見つけた「詐欺被害回収業者」には絶対に連絡しない
  • 感情が高ぶっている状態での大きな決断は、一晩おいてから行う

5事例まとめ比較表

📊 ロマンス詐欺・5事例の比較

事例 接点 詐欺師の設定 被害額 最大の教訓
①米軍軍人詐欺 マッチングアプリ 米軍大佐・海外派遣 600万円 「会えない軍人」はほぼ詐欺
②Instagram医師詐欺 Instagram DM 海外在住・日系医師 400万円 突然のDMに応じない
③Facebook誤送信詐欺 Facebook誤送信 台湾在住・女性実業家 250万円 「間違えた」接触は詐欺の始まり
④豚の屠殺詐欺 マッチングアプリ シンガポール在住・投資家 1,500万円 恋愛感情+投資勧誘は100%詐欺
⑤取り戻し二次詐欺 X・ネット検索 詐欺被害回収業者 +100万円 「取り戻せる」業者も詐欺